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値上げの波がメモリ売り場を出た——アナログ・MCU・パワー・受動部品が一斉に再価格付け、BOM の「安い側」はもう安くない

公開日: 2026年7月17日

値上げの波がメモリ売り場を出た——アナログ・MCU・パワー・受動部品が一斉に再価格付け、BOM の「安い側」はもう安くない

半年間、市場はメモリばかりを見てきた。7 月の本当の変化は、値上げの波がメモリ売り場を出たことだ。YAGEO の近年最広のコンデンサ調整、TI の 2026 年三度目、ST/Infineon/NXP の第二弾、そして汎用 MLCC も 6~13% へ。ジェリービーンズ扱いされてきた品目が、いまや再価格付けの最前線にある。

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ここ三四半期、関心はほぼメモリに集中していた。HBM、DDR5、エンタープライズ NAND——花形の品目で、話も作りやすい。

7 月は別の角度から読む価値がある。ニュースはメモリがまた上がったことではない。値上げの波が、ついにメモリ売り場を出たことだ。

まず受動部品。YAGEO は 7 月 1 日から、近年で最も広い範囲のコンデンサ調整を始めた。MLCC、アルミ電解、タンタル、高分子、フィルム、スーパーキャパシタ——ライン全体だ。公式価格はおよそ 50% 上げ、スポットはさらに急である。特定のサイズや誘電体が逼迫しているのではない。コンデンサのライン全体が一緒に動いている。

バイヤーが注意すべきは汎用グレードだ。広範な値上げは通常、ハイエンドや車載から始まり、民生・産業向けの汎用 MLCC は遅れて動く。今回は違う——7 月から汎用 MLCC も 6~13% の上げ幅帯に入った。安い品目が先に動くとき、要因は単一の需要スパイクではない。コストがスタック全体を押し上げている。

アナログと MCU も歩調を合わせる。TI は 2026 年三度目の調整を 7 月 1 日発効で発表し、PMIC や MOSFET といった数量の多いパワー品目まで及ぶ。幅は品目と工程で異なる。ST の二度目の MCU 調整は 6 月 28 日発効。Infineon の二度目は 7 月 1 日。NXP は車載中心の第二弾を 6 月 1 日から。AMD さえ AIB パートナー向け GDDR キットに約 10% を加えた。

つなぎ合わせると論理は明快だ。

  • 成熟ノードのウェハーが上がっている。TSMC や SMIC は銅・銀・シリコンと並んで成熟ノード価格を引き上げ、MCU・アナログ・パワーのコスト土台を押し上げている。
  • メモリコストが MCU に染み出している。オンチップメモリを持つ MCU が真っ先に効く。メモリ・スーパーサイクルが非メモリ品目へ波及する具体的な経路だ。
  • AI と新エネルギー需要の回復が、メーカーに値上げの後ろ盾を与えている。

現品バイヤーへの直接的な読み方をいくつか。

品種の価値順位が組み替わる。 棚で引き合いのなかった汎用 MLCC・成熟アナログ・MOSFET も、メーカー公式価格が上がれば、セカンダリや死蔵在庫の再価格付け余地が開く。昨年の心理価格で見積もるのはやめる。

見積もり有効期間が縮む。 年三回の値上げペースでは、代理店・スポットの見積もり有効期限も圧縮される。非メモリ品目に一か月ロックを既定にしない。

NCNR と割当を注視する。 価格が上がる局面では、メーカーの割当と NCNR 条件が締まり、逼迫品番のスポットプレミアムが公式価格に先んじて反応する。

BOM コストの敏感点が移った。 産業・車載 BOM を組むとき、かつては MCU と主要デバイスを軸にコストを見た。いまは「心配しなくていい」とされていた受動・パワーの行が、最も速く動いている。

メモリの話は二四半期続いてきた。この波の新情報は請求書のもう半分——安く、安定して、いつでも買えると思われてきた品目——が揃って上がり始めたことだ。汎用品を抱えているなら旧価格で捌かない。BOM を見積もるなら、受動とパワーの行を先に計算し直すことだ。