← 記事一覧に戻る
アナログ・パワー大手が年内2度目の値上げを今週発効:ST は 6/28、TI とインフィニオンは 7/1 ——現品バイヤーが抜く型番と、押さえる見積り窓

公開日: 2026年6月24日

アナログ・パワー大手が年内2度目の値上げを今週発効:ST は 6/28、TI とインフィニオンは 7/1 ——現品バイヤーが抜く型番と、押さえる見積り窓

単独の動きではない。ST、インフィニオン、TI、NXP が同じ週に2度目の2026年値上げを発効させる。PMIC、MOSFET、パワー素子など、どの BOM にも載る型番で 5〜15%。在庫を動かす人向けに、どの型番が先に効くか、流通へどう伝わるか、週末前に何をロックするかを整理する。

marketprocurementsupply-chainai-demandindustrialsupply-risk2026-q2
この記事は他言語でもご覧いただけます:English·中文

まず日付を固定する。ST の顧客向けレターは 6 月 28 日発効。インフィニオン、TI、NXP は 7 月 1 日。今週まだ交渉中の案件は、週明けには別の価格表になる。

今回が前回と違うのは値幅ではなく頻度だ。4 月分は「年次の定例調整」として処理できた。今回は同じ顔ぶれが同一四半期内で2度目を動かしている——ST、インフィニオン、TI はいずれも「年内2度目」と明言している。2度目という事実は、パーセンテージ以上の意味を持つ。各社は需要を「2回上げても通る」と読み、前回スキップした型番を今回まとめて拾いに来ている。

どの型番が先に効くか、重要度順に:

  • PMIC・MOSFET——TI が名指ししたのがこの2分類。AI サーバー基板、電源、産業向け電源レールに最も量が出る汎用パワー品で、どの BOM にも一掴みある。
  • パワースイッチ・パワー IC——インフィニオンの値上げ幅が最も大きく、一部は 25% との報。EV、車載、蓄電が真っ先に効く。
  • 汎用アナログ——ST は「前回未対象の型番」を追加する、つまり今回はより網羅的に拾う。マイナーな型番でも逃げ切れると思わないこと。
  • 中国系パワー——MacMic は IGBT を +10%、JieJie は MOSFET/IGBT を +10〜20%。大手が動けば代替も動かず、価格差は思うより狭い。

メーカーの発表から現品側に伝わるまでには時間差がある。商社はまず在途・受注残に対して新価格表を消化し、現品見積りに本当に反映されるのは通常2〜3週間後だ。この差が窓になる。旧価格で仕入れた在庫を持っているなら投げ売りせず、流通の価格表が切り替わるのを待てば、価格差は自然に開く。逆に、不足を追っているなら、6/28・7/1 の前に急ぎ品をロックし、来週まで引きずらない。

在庫を動かす人向けの具体策:

第一に、BOM 上の ST・インフィニオン・TI・NXP の型番を洗い出す。特に PMIC と MOSFET。このロットが旧価格か新価格かを商社に確認する。「7/1 前後の注文でそれぞれ何円か」の一言で、後の押し問答が減る。

第二に、これら4社の旧価格在庫を持っているなら、DC の新しいものは対単用に残す。投げ売りに回さない。メーカーが2度上げた以上、旧 DC・旧価格の現品は今後一四半期でさらに価値が出る。

第三に、代替を絶対価格だけで判断しない。大手 5〜15%、中国系 10〜20% で、型番によっては両方上げた後に価格差が縮む。3 か月前の価格差表で決めず、計算をやり直す。

第四に、NCNR と割当条項を今回は丁寧に読む。2度目の値上げ局面では、メーカーも商社もキャンセル不可注文と厳しめの割当を押してくる。この種の注文を受ける前に出口を考える。さもなければ「ロック価格」が高値に縛りつける。

一段引いて見る。今回覚えておくべきは 5〜15% という数字ではない。「同じメーカー、同じ四半期、2度目」というリズムだ。AI がパワーとアナログの価格決定権を、買い手から売り手へ実際に動かしたという合図である。現品にとって、「下がるか様子を見る」という従来の反射は、この2四半期のパワー系では通用しない。ロックできるものはロックし、残せるものは残す。価格よりリズムだ。